中央地方を問わず、秋の美展が開かれており、すばらしい作品が私たちの目を楽しませてくれます。
家庭に飾るには大きすぎないか?例えば100号~200号(1号:はがき大)の絵画や、50cm各の大壷を出品する場合によく聞かれます。
これらは、美術展出品用として制作したもので、家庭に飾るとか売り物として作ったものではありません。

 出品された作品は、美術展という大舞台でこれまでの努力成果を競う訳ですから、華やかな衣装を着け、おおきなステージでも映えるような化粧をして、審査に合格できるよう、一生懸命作るのです。
つまり、通常の制作とは違った形で「自己表現」「自己アピール」をする必要があると思います。

 陶芸に関しては、審査の対象として「造形美」と「装飾美」があり、常に新しい感覚で創作しているか?ということがポイントとなります。
私は、かねがね生徒のみなさんには「他人に作れない作品を自分自身の発想で創作し、そして新しい発見をして欲しい。」と申しています。
もちろん、陶芸はする目的は、人それぞれに違うと思います。趣味程度で楽しむのもよいかと思います。
ただ、少なくとも私は生徒さんには、ある程度の技術を習得したら、厳しい道であっても挑戦することに意義を見出して欲しいと指導をしています。

 それにしても1年に数回ある美展のため、売れもしない大作を10個20個と作るなんて…とおっしゃる方もいるかもしれません。
けれど、夢を持ってひたすら作りつづけ、自分なりの発想と表現にウデを磨くことは、すばらしいことではないでしょうか。
それは、陶芸に関心のない人にとっては、おかしく感じられることかもしれませんが本当に夢に突き進んでいる当事者にとっては、毎日の創作や、この充実した日々は、何物にも変えがたいものなのです。