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Archive for 7月, 2012

「 重ねて釉薬をかけるむずかしさ 」 (啓蔵:陶芸家雑感より)

「 重ねて釉薬をかけるむずかしさ 」

陶芸家萩原啓蔵の陶芸エッセイの中からご紹介します。

何種類もの釉薬を重ねるのはとても難しいとのことです。
陶芸家の工夫や苦悩や失敗を経て、美しい個性的な作品美を形成するのだ、ということをあらためて感じます。






啓蔵虫食い ぐいのみ

啓蔵の新作 ぐい呑み 「啓蔵虫食い」



啓蔵の新作 ぐい呑み 「啓蔵虫食い」

啓蔵虫食い ぐいのみ
啓蔵の新作 ぐい呑み 「啓蔵虫食い」
啓蔵の新作 ぐい呑み 「啓蔵虫食い」





ベースは光沢のある黒い釉薬ですが、何層もかけられていています。
「宇宙の蒼」とも似ていますが、こちらの方が小ぶりで、蒼の発色もごくわずかです。
どちらかというと、黒と白を基調にしたぐい呑みなのですが、
このぐい呑みを啓蔵はいたく気に入っておりました。

実は(素人の質問でしたが)
「今までも黒い地に乳濁の釉薬、という作品はあったけれど、なにがそれほど違うのか」
というような質問をしました。
啓蔵いわく、なによりも、この「虫食い」が違うのだそうです。

地の黒い釉薬にも、上からかかる乳濁の釉薬にも虫食いが出ているところが、なによりも違うと即答されました。
これがどんなにむずかしいことか、これが出たときどんなにうれしかったことか…と語りながら、愛おしそうに、この作品をじっとみつめる啓蔵を見て、本当に思い通りの作品が出きたうれしさが伝わってきました。


これは、なんて、さまざまな色の艶をもってるんでしょう!虫食いがまた、お酒を注ぐと揺らめきに七色の景色を如何様にも見せてくれそう…素敵ー! (H様)

これは 太いお酒を飲みたくなりますね(S様)

素敵です~。お酒が進みそうです~^^(A様)



啓蔵の新作 ぐい呑み 「宇宙の蒼」

ぐいのみ 宇宙の蒼

啓蔵の新作 ぐい呑み 「宇宙の蒼」
啓蔵の新作 ぐい呑み 「宇宙の蒼」





このぐい呑みの、ベースは光沢のある黒い釉薬ですが、何層もかけられていています。
蒼い発色がまるで、夜の黒い空に広がるオーロラのようにところどころに見えます。
(作品によって、蒼の度合いは違います。)
そして、その上から、更に白い釉薬が掛けられています。
虫食いも美しく、まるで夜空に散りばめられた星のようです。


啓蔵いわく、
なによりもこの虫食いを出すことに苦労したとか。
黒と白、そして青のバランス、そして虫食いの美しさ。
本人も語っておりましたが、納得いく作品を出すために、どれだけの時間をかけどれだけの失敗を繰り返したことか。
この作品にはそういう啓蔵の思いがこめられていて、本当にその思いをわかっていただける方の手元へお届けできれば、うれしいです。







ぐい呑み 墨渦釉

ぐい呑み 墨渦釉

ぐい呑み 墨渦釉

墨渦釉





墨絵のなかにひろがる渦のような反転が、個性的にひろがったりくっついたりして独特の紋様が出ています。
単なる斑点ではなく深みのある、しかも光沢のあるうっすらと色の変化を伴って変化していく様は、とてもおもしろいです。



【啓蔵の近況】2012年7月(1)



釉薬については、今も日々研究中とのこと。
写真は釉薬のサンプルについて熱く語る啓蔵です。

啓蔵に新作について聞いてきました。
今回(まだ販売しておりませんが)のぐい呑み作品は、本当に苦労したそうです。
失敗したものは300個以上にもなったそうですが、それだけに思いどおりのものが出来た時は本当にうれしかったとのことです。
今回の作品の、「白と黒の釉薬、ほんの少しの青」作品のみどころは、
なにより「白い釉薬部分と黒い釉薬部分の”それぞれ”に虫食いが出ていること」だそうです。
この虫食いを出すために苦労に苦労を重ねたとか。
作家の強い思いやこだわりが、作品の景色から感じて頂けると幸いです。

萩原啓蔵 新作 ぐい呑み 現在撮影中です。

宇宙の蒼
青波

ぜひお楽しみに!





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