【ぐい呑み】霧の中のしま馬
啓蔵ぐい呑み 灰かいらぎ
啓蔵のぐい呑みにしては、小ぶりで、女性に好まれそうなデザインです。(実は、私の掌にもちょうどよいサイズです。)
釉薬は色が微妙に違う青が、かけられている、どちらかといえば淡く優しい印象のぐい呑みです。
かなり個性的なぐい呑みです。
碧がかったうすい黄色の地に、青碧がかった乳濁の釉がかけられています。
まるで湧き上がる天女の雲のようです。(天女の雲、と言っても想像ですが…)
見る方向、そしてひとつひとつの作品ごとに、それぞれ個性があって、光の加減では、うすい青にみえたり、白い部分が強かったりと、不思議な雰囲気がします。
最近の作品を並べてみました。
啓蔵カイラギぐい呑み 蒼龍
啓蔵・虫喰釉湯のみ
啓蔵虫喰いぐい呑み 宇宙
啓蔵ぐい呑み 蒼岩肌
啓蔵カイラギぐい呑み 蒼だるま
啓蔵カイラギぐい呑み 巌
この「巌」は他の啓蔵カイラギぐい呑みに比べると、小さめです。 「焼きしめ」られていますが、小ぶりながら、重厚で趣きのあるぐい呑みに感じます。
ひびの紋様も、自由で力強いイメージです。
「宇宙」で使っている釉薬は、鹿児島のシラスをベースにしています。
また、青色の微妙な発色や変化を出すために、配合を変えた釉薬を3種類を使っています。
用意した釉薬は3回にわけてかけるのですが、1種類目の釉薬をかけた後、まる一日くらいかけてしっかり乾かし、そして次の釉薬をかけ、またしっかり乾かして、最後の釉薬をかける、作業をします。
この丁寧な作業が、深みのある発色を生み出すもとでもあります。
ところが、釉薬は(特に冬場は)なかなかしっかり乾きにくい、というのが難点です。
乾かすのが不十分だと、はがれおちてしまいます。
また発色のイメージを考えながら釉薬をかけても、窯出しするまではどんなふうに発色するのか、虫喰いができるのか、わかりません。
でもこの「宇宙」は窯から出した瞬間に「手ごたえ」を感じました。
深みのある青、そんな色を出せたことに非常に満足しています。
昨年は野口さんのスペースシャトルで宇宙へ行きましたが、その時の「宇宙」を思い描いた作品です。
実は今、私も「宇宙」を手にとりながら話をしています。
この同じ「宇宙」を実際に手にとってご覧になった皆さんは、この「青」と「虫喰い」の肌をどんな風に感じるのだろう?と思います。
作家の思いが伝わるとうれしいのだが…とも思います。
私自身、何回も作品を眺めながらあらためて釉薬のパワーのようなものや発色の不思議を感じています。
今年は野口さんのスペースシャトルで宇宙へ行きましたが、啓蔵が「宇宙」をイメージした作品とのことです。
確かにハッブル宇宙望遠鏡でとらえた宇宙みたいです。
濃い藍と青のずっしりとした釉薬。それが織り成す紋様。
そして、虫喰い(釉薬の穴ぼこ)も美しいものです。
啓蔵ぐい呑み 白ゆず肌
まるで華びらを彷彿させるような口まわり。優雅な感じがします。
所々に釉薬のたれがあり、これがなんとも言えない趣を出しています。
(販売終了)
黄土色にも濃い茶色にも場所によっては黄色にも見える部分があります。
形は、くるりんとした感じのだるまっぽい丸っぽい形です。
内側にはうっすらと黄色がかかった白色の釉薬がかかっています。
少し光沢を帯びたカイラギが、魅力的です。
個性的で豪快な作品。
釉薬の感じも、男性的な強さをもった作品です。
側面も、つるつるしているようでありながら、単調なものではなくて、ところどころに(釉薬のたまりなのか、それともカイラギの突起なのかはわからないものの)いぼのような突起があります。
それがまた、なぜか味があるのです。
すばらしい作品だと思います。
この作品の販売はいたしておりません。
バレンタインデー用に2個購入しました。
バレンタインデーという名目で同じぐい飲みを揃えたというのが正直なところですが。(笑)
渋いですね。とても気に入りました。
(兵庫県 K様)
(店長)バレンタインデーにカイラギ!なんて辛党な趣味なんでしょう!
でもそれはそれで素敵ですね。啓蔵作品を喜んで頂けて本当にうれしいです。
今後共どうぞよろしくお願いいたします。
まるで南海の岩と海、というようなイメージのぐい呑み
啓蔵カイラギぐい呑み 土達磨