ぐい呑み、酒器、抹茶茶碗、湯のみ、片口鉢、作家 萩原啓蔵 の陶芸作品をご紹介しています。
オンラインショップ | sitemap



「 火山灰 」 に関する記事一覧


ぐい呑み 小雪釉(虫喰い)

小雪釉(虫喰い)


小雪釉と、釉薬はいっしょですが、小雪釉は、地肌にひび割れがありますが、
この小雪釉(虫喰い)は「地肌は光沢があり地肌にも虫喰いがある」ところに特徴があります。
上からかかる白い釉薬がさまざまな景色をみせてくれます。
白い釉薬は、鹿児島のシラス(火山灰の堆積したもの)から作った、啓蔵のオリジナルの釉薬で、この尺皿と同じ釉薬を使っています。 



【016】火山灰の利用

 以前に三宅島の方から「三宅島に降り積もる火山灰をなんとか陶芸に利用できないだろうか、というメールを頂きました。
桜島の火山灰と三宅島のそれとは成分も違うと思いますので、すぐにこれがあてはまるとは限りません。しかしながら、、少しでもお役にたてたら・・と思いました。
 と言う事で今回は「厄介物の火山灰を有効利用するために」という視点で、私なり釉薬として利用できないものかと、桜島の火山灰で色々と実験した結果を記してみたいと思います。


————————————————————
火山灰を利用して釉薬を作る場合
————————————————————

(1)火山灰を「60-80メッシュ」くらいの粗さの「ふるい」にかけておく。

(2)・ペタライト(長石)を用意する。
   ・蛙目(ガイロメ)粘土を用意する。
   ※ガイロメ粘土は、粉末状になっており、通常の練られている粘土より耐火力があるという特徴が
   あります。

(3) ・火山灰 60
   ・ペタライト  40
   ・ガイロメ粘土 20
    上記の割合で混合する。

(4)(3)の割合で混合した粉を、適宜「フノリ」と練り合わせる。
  ※火山灰の場合、比重が重いので、普通の釉薬のように水で溶かすと沈殿してしまうため、
  使えなくなってしまいます。
  水の代わりに「フノリ」で練り合わせることにより、よく混ぜ合わせることができます。
    
(5)(4)でできた釉薬を、素焼きした作品に塗布し、焼成します。
  焼成は(SK8:つまり1250℃程度)で行います。
  ダークグリーンのしっとりとしたマット(つや消し)に焼きあがります。

————————————————————
火山灰を粘土として利用する場合
————————————————————

  火山灰とガイロメ粘土を30:70の割合で混ぜ、800℃~850℃(楽焼程度の温度)で焼成しますと、
  植木鉢程度のものはできます。 ※ただし、色は黒鼠色となります。
  これも、ひとつの火山灰利用法として有効かもしれません。

【015】シラスの利用

 鹿児島県一帯は、桜島火山の噴火によって流出した溶岩が風化した「シラス台地」といわれる白い土層が分布しております。
この「シラス」は、雨水を吸収すると崩れやすく、軟弱な土壌が度々災害を引き起こす欠点があり、厄介物とも言われております。
 
 ところが近年、各分野でこの「シラス」を利用する研究がされており、例えば「塗料」「ガラスウール」「濾過(ろか)器材」など、さまざまな製品が作り出されています。

 私もこの「シラス」を利用して陶芸用の釉薬を数種類作ってみました。
(後ほど、その作品はホームページでご紹介したいと思っております。)
地元ならではの素材を使い、味のある作品をといつも心がけております。
まだ研究の余地がありますが、未利用資源の宝物になるのではないかと大いに期待しています。
 ちいさな努力の積み重ねで、まさに21世紀は創意工夫の時代になるように思いますし、同時に夢をふくらませております。

「シラス」を利用して陶芸用の釉薬をつくる









Copyright © 2024 keizogallery (陶芸家 陶芸作家 萩原啓蔵)


トップへ戻る