ぐい呑み、酒器、抹茶茶碗、湯のみ、片口鉢、作家 萩原啓蔵 の陶芸作品をご紹介しています。
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「 出品 」 に関する記事一覧


【028】誰が作者か?

 陶芸展の出品作品は通常、個人それぞれが、造形、素焼き、釉薬掛け、本焼き…とひとつの仕上げていきます。そして当然、その本人が作品の「作者」となります。

 けれども組織の中での創作の場合はどうでしょうか。

粘土で造形する人、表面に装飾の絵を描く人、その上に釉薬を掛ける人、窯に入れて焼成する人、と分業で仕事をこなします。
この場合、いったい誰が「作者」なのだろうか?と疑問に思ったことがあり以前、私はこの疑問を審査員の方に伺ったことがあります。
「陶芸展の出品作品は装飾美が基準となるので最後に作品に絵を描き仕上げた人が作者となる」との見解でした。
 もちろん、審査員の基準や見解はそれぞれの陶芸展で違うのかもしれませんが、いろいろな分野で分業化が進んでいる今、むずかしい問題だなあ、と感じたのでした。

【026】陶芸展出品をめざすみなさんへ

 春の陶芸展が近づいてきました。
 出品者の皆さん、準備はできたでしょうか?
春の出品物の多くは、冬に創作することになりますが、正月ボケ、寒波襲来転勤等が重なり、出品準備がなかなか思うように進まないものです。

 出品を考えるのでしたら、前年の陶芸展などを見て感動の冷めやらぬうちに作陶を始めるのがベストでしょう。
出品の期限が迫ってきては気ばかりあせり、手は進まず寒さと共に失敗をくりかえします。

 時間的にも気持ちにも余裕を持ってぜひ臨んでください。
五感のリズムが自然に動き出した時に生み出される作品には、勢いがあるはずです。
それから入賞することよりも、新しいアイディアと創造力豊かな作品をめざしてください。それこそが、きっと多くの方々に感動をしてもらえる作品になるはずです。がんばってください。

【022】出品の意義

中央地方を問わず、秋の美展が開かれており、すばらしい作品が私たちの目を楽しませてくれます。
家庭に飾るには大きすぎないか?例えば100号~200号(1号:はがき大)の絵画や、50cm各の大壷を出品する場合によく聞かれます。
これらは、美術展出品用として制作したもので、家庭に飾るとか売り物として作ったものではありません。

 出品された作品は、美術展という大舞台でこれまでの努力成果を競う訳ですから、華やかな衣装を着け、おおきなステージでも映えるような化粧をして、審査に合格できるよう、一生懸命作るのです。
つまり、通常の制作とは違った形で「自己表現」「自己アピール」をする必要があると思います。

 陶芸に関しては、審査の対象として「造形美」と「装飾美」があり、常に新しい感覚で創作しているか?ということがポイントとなります。
私は、かねがね生徒のみなさんには「他人に作れない作品を自分自身の発想で創作し、そして新しい発見をして欲しい。」と申しています。
もちろん、陶芸はする目的は、人それぞれに違うと思います。趣味程度で楽しむのもよいかと思います。
ただ、少なくとも私は生徒さんには、ある程度の技術を習得したら、厳しい道であっても挑戦することに意義を見出して欲しいと指導をしています。

 それにしても1年に数回ある美展のため、売れもしない大作を10個20個と作るなんて…とおっしゃる方もいるかもしれません。
けれど、夢を持ってひたすら作りつづけ、自分なりの発想と表現にウデを磨くことは、すばらしいことではないでしょうか。
それは、陶芸に関心のない人にとっては、おかしく感じられることかもしれませんが本当に夢に突き進んでいる当事者にとっては、毎日の創作や、この充実した日々は、何物にも変えがたいものなのです。







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