陶芸展の出品作品は通常、個人それぞれが、造形、素焼き、釉薬掛け、本焼き…とひとつの仕上げていきます。そして当然、その本人が作品の「作者」となります。

 けれども組織の中での創作の場合はどうでしょうか。

粘土で造形する人、表面に装飾の絵を描く人、その上に釉薬を掛ける人、窯に入れて焼成する人、と分業で仕事をこなします。
この場合、いったい誰が「作者」なのだろうか?と疑問に思ったことがあり以前、私はこの疑問を審査員の方に伺ったことがあります。
「陶芸展の出品作品は装飾美が基準となるので最後に作品に絵を描き仕上げた人が作者となる」との見解でした。
 もちろん、審査員の基準や見解はそれぞれの陶芸展で違うのかもしれませんが、いろいろな分野で分業化が進んでいる今、むずかしい問題だなあ、と感じたのでした。

                     



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