ぐい呑み 「蒼釉波」 比べてみると個性を感じます。
蒼色を撮影するのは難しいですが、少しでもイメージをお伝えできたら幸いです。
蒼色を撮影するのは難しいですが、少しでもイメージをお伝えできたら幸いです。
先日、啓蔵のアトリエでみつけた片口酒器。
釉薬の流れに趣があります。
ぐい呑み 紬紋釉
同じ釉薬でも作品によって表情が違う、ということはいつも感じることですが、このぐい呑みは
「語るような」「ものいいたげな」表情に感じます。ねえ、素敵でしょう?
不思議なものですが、うまれた作品の中から、個性(のようなもの)を感じながら、やはり「世界にひとつしかない陶芸作品」ということの素晴らしさをしみじみ思います。
ぐい呑み 紬紋釉
個人的な好みですが、今回の画像(正面中央)のように
「ぽちょんと釉薬がかかっている」
ものが、実は、特に好みです。
「たまたま」だと思うのですが、作品の中で、この「ぽちょんとした釉薬」のものを特に愛おしく思ってしまうのはなぜでしょうか。
でも不思議な魅力があるのですよね。
以前、まったく違う作品(その作品は販売終了となりましたが)ですが、ある購入をご希望される方が、
「画像写真で、底の方に、ぽつんと白い釉薬が少しかかっているもの」
をと、わざわざご指定されたことがあります。
その時、同じ好みの方がいらっしゃる、と少し驚いたのですが、もしかすると、意外と多いのかもしれません。
なにか心を掴まれてしまう魅力。
本日撮影した作品は、紬紋釉の中でも、灰色がかかった白い釉薬部分の掛かりが多いものです。
カイラギの部分、そして白い釉薬の取り合わせは、まるで岩山の残雪の風景のよう。
「紬紋釉」には、いろいろな景色(釉薬の掛かり方によって見た目が違います。)があります。
必ずご希望に沿えるとはお約束できかねますが、ご注文される際には、写真(上から何番目等)をご指定頂ければ幸いです。
余談ですが、本日、「紬紋釉」の作品をいろいろと撮影している時に、ちょうどラジオからラフマニノフの交響曲が流れていました。
ラフマニノフの重厚でエネルギーに満ち溢れた交響曲と「紬紋釉」のイメージが、なんと似合うこと!びっくりしました。
ぐい呑みを手にしながら、音楽に浸り、作品に浸り…撮影する者だけが許される至福の時間かもしれません。
そういう気持ちを含めて、作品の素晴らしさをお伝えしていけたら…と感じました。
それにしても、ぐい呑み作品は奥が深いです。
同じ釉薬の作品でもひとつひとつ景色が違います。何度撮影しても、まだまだ撮影し切れていなような気になります。
これからも少しずつでもご紹介していきたいと思っています。
コントラストが美しく、水墨画の様でもあり まるで自然の中から生まれたてのような感じがして…生きてるようです。感動です!(K様)
乳濁色の光沢とやさしい感じ、同時に個性的な虫食いの景色の雰囲気を少しでもお伝えできれば、と思います。
釉薬がはじけて、ときどきハート型のような穴ぼこができているのがおもしろいです。
(0:40あたり左下側に見えます。)
釉薬がすごく主張していて、力強くもあり、優しくもあり…。いつもながら、個性的でしたー(*^^*) (H様)
やきものの総称を「陶器」と言っていますが、その中には磁器と陶器があります。
陶芸家は、磁器のことを「石もの」、陶器のことを「土もの」と呼んでおります。
「(磁器)石もの」は陶石(硬い石の白い粉)、長石等の主原料で作られています。
産地では瀬戸、有田、九谷などが有名です。(もちろん、有田などでは現在は、磁器だけでなく陶器も作られていますので限定はできなくなっていますが。)
日常、一般的に使われている茶碗や湯のみは磁器がよく使われています。
(これらを「せともの」と呼ぶのも産地名の「瀬戸」からきています。)
反面、芸術作品としても整った美しさでいろいろなものが生み出されています。
「(陶器)土もの」は粘土(白色から黒色までと種類が多い)で作られ、うつわとしては、吸水性が高いために水が染み込みやすく、洗いにくく、においが付
きやすくピンと叩くと低い音がします。
とは言うものの、やわらかな暖かみがあり、各地で産出された粘土の特質によって異なった趣のある作品ができます。
私はこの「味わい」という意味では陶器の方が芸術性豊かなものがあると思っています。
一般的な磁器と陶器の特徴を述べましたが、例えば、志野焼に使われる志野土(しのつち)、薩摩焼によく使われる粟田粘土(あわたねんど)、仁清土(にんせいど)、などは、粘土自体も焼きあがりも白色となり、見分けがつきにくいのですが、これらは陶器です。
また「薄いものが磁器」とは限りません。土ものでも、極限までうすく作られたうつわもあります。(ただし、強度はありませんが。)
やはり微妙な違いに関しては、ひとめでわかりにくいかもしれません。
実際にご自分の手で土に親しみ、作品を作っていくことによって、五感で自然に分かるようになると思います。