ぐい呑み、酒器、抹茶茶碗、湯のみ、片口鉢、やきものをご紹介しています。
オンラインショップ | Facebookページ | Keizo Google+ページ | sitemap



「 カイラギ 」 に関する記事一覧


【ぐい呑み】豊土華2

カイラギ ぐい呑み



啓蔵ぐい呑み 豊土華2


カイラギというのは釉のちぢれのことを言います。萩原啓蔵はこのカイラギを何年も研究してきました。

カイラギの中でも「土水跡」のように端正なカイラギもあれば、この「豊土華2」のようにあらあらしい表現をしているカイラギもあります。この作品は釉薬がエネルギーを溜めたような個性があります。





*販売終了となりました。

【ぐい呑み】紋跡


紋跡
紋跡


本日確かに無事『啓蔵 カイラギ ぐい呑み 紋跡』落手いたしました。
ありがとうございました。

カイラギが釉薬の縮れによる偶然性によるものとは言え、これは計算されたデザインとしても過言ではないでしょう。啓蔵氏の魅力が伝わる一品だと思います。

おまけとしていただいたぐい呑みも、釉薬のまた違う魅力の一面を見せてくれていて、対比させてもおもしろく感じています。
ありがとうございました。
この魅力にはまりそうです。またよろしくお願いします。


(埼玉県 M様)

(店長)M様の「カイラギが釉薬の縮れによる偶然性によるものとは言え、これは計算されたデザインとしても過言ではないでしょう。」というコメントに本当に感動してしまいました。と同時になるほど、言いえて妙だ、と納得してしまいました。確かに、あのひび割れは偶然とは言え、何かの規則性をあたかも計算して設計したかのようにも見えます。そしてそこが不思議です。
今後とも「ぜひはまって」頂けるとうれしく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

【050】「釉薬を重ねてかけるむずかしさ」

 30025

たっぷりと幾重にも釉薬をかけ、重なった色合いの発色が出た作品は、深みと変化を味わえると思います。

『啓蔵虫喰いぐい呑み 宇宙』
は、特に、釉薬を重ねた中でも、技術的に難易度が高いものでしたが思いどおりに発色した作品です。(注1)
 この「釉薬を重ねてかける」というのは、大変手間がかかります。



雪釉

1度目の釉薬をかけ、それを完璧に乾かしてから2度目に違う種類の釉薬をかけます。そして、それもまた完璧に乾かして、やっと3度目の釉薬となります。
なによりも「完璧に乾かした上で」次の釉薬をかけませんと、窯で焼成後取り出してみると、どろどろになって水ぶくれができたり、はがれたり(欠落したり)してしまうのです。
同時に、性質の違った釉薬をたっぷりと、しかも厚く重ねるというのは、大変むずかしい作業でもあります。





虫喰い


けれども、たっぷりと釉薬をかけるからこそ「虫喰い(注2)」ができ、複数の種類の釉薬を重ねてかけてあるからこそ「深い発色」が出るのです。

私自身、これまで何度も失敗を繰り返しながらも、「私なりの美」を求めて試行錯誤をしてきました。
それだけに納得のできる作品ができると、本当に達成感があります。
そして、実際に作品を手にとっての(お買い上げ頂いたお客様から)感想を読むと、作家として本当にうれしく、感謝の気持ちでいっぱいになります。

 私のこの雑感をご覧になっているのは、(作品を)買って頂いた方だけではなく、陶芸に興味のある方、陶芸を勉強されている方も多いことでしょう。
もしも、そのような方々の参考になるのであれば、と思い、実際に失敗した作品(釉薬が欠落したものなど)をお分けします。

どんな感じになるのかなっているのかを実際に観察するだけでも、今後の陶芸や陶芸作品鑑賞に、なにかしらヒントになれば幸いです。



(注1)この作品は現在、販売終了。
(注2)ぼこっぼこっとあいた穴のこと


【049】「啓蔵虫喰いぐい呑み 宇宙」(聞き書き)

300p1010004
「宇宙」で使っている釉薬は、鹿児島のシラスをベースにしています。

また、青色の微妙な発色や変化を出すために、配合を変えた釉薬を3種類を使っています。

用意した釉薬は3回にわけてかけるのですが、1種類目の釉薬をかけた後、まる一日くらいかけてしっかり乾かし、そして次の釉薬をかけ、またしっかり乾かして、最後の釉薬をかける、作業をします。

この丁寧な作業が、深みのある発色を生み出すもとでもあります。
ところが、釉薬は(特に冬場は)なかなかしっかり乾きにくい、というのが難点です。
乾かすのが不十分だと、はがれおちてしまいます。
また発色のイメージを考えながら釉薬をかけても、窯出しするまではどんなふうに発色するのか、虫喰いができるのか、わかりません。


300img2008 でもこの「宇宙」は窯から出した瞬間に「手ごたえ」を感じました。

深みのある青、そんな色を出せたことに非常に満足しています。


昨年は野口さんのスペースシャトルで宇宙へ行きましたが、その時の「宇宙」を思い描いた作品です。
実は今、私も「宇宙」を手にとりながら(電話で)話をしています。

この同じ「宇宙」を実際に手にとってご覧になった皆さんは、この「青」と「虫喰い」の肌をどんな風に感じるのだろう?と思います。
作家の思いが伝わるとうれしいのだが…とも思います。
私自身、何回も作品を眺めながらあらためて釉薬のパワーのようなものや発色の不思議を感じています。


*この作品は現在販売しておりません。





【037】 「ユズ黒釉」と「ブルーの釉」

 寒い冬は作陶する人にとって水が冷たくいやですが、また同じくこの夏の暑さもいやなものですね。

 今朝は偶然午前2時に目が覚めましたので真夜中に仕事を始めましたが、朝の6時ごろまでに平常の1日分の仕事が効率よく出来ました。
静寂な仕事場での作業はちょっと寂しい気分にもなりますが、昼間の暑さから解放され涼しさの中で仕事に集中できることが何よりです。暑い時期は無理をしないで夜行性動物になることも必要かなーと思いました。

 作陶(物作り)というのは「集中力」がないとなかなかいい作品ができません。雑念を払拭してロクロに向かい手を動かすことが肝要です。今朝の真夜中の作業はそういった意味でもそれなりの成果が得られたような気がします。


直径が約30cmの大皿
 

現在、できあがり直径が約30cmの大皿を作陶しています。

かける釉薬は今回考え出した「ユズ黒釉」に「ブルーの釉」の深い味わいのコントラストに仕上げたいと頭の中でその焼き上がりを思い描いています。
「ユズ黒釉」というのは、見た目には表面がざらざらに見えますが、実際は肌触りがとても滑らかで格調高い釉薬のひとつです。

またカイラギ釉と同系統のもので、材料は鹿児島県に産するものを使います。
作陶にあたっては、できるだけ地元の資源を活用して今後もいい作品を目指していきたいと思っています。


030730
「かごしま県民交流センター」2Fロビーに啓蔵作品の「壷」が展示されています。


【020】岩石粉の漂白

  綿布や動物の皮を漂白することはごく当たり前に行われていますが、岩石の粉を漂白することは余り聞きません。

 しかし陶芸の世界では自然の岩石の粉末をなんとか満足できる色彩に仕上げるために、試行錯誤をくりかえしている現状です。
 工業的には鉄分を磁石で除去する方法と、もしくは強酸で洗浄して石灰で中和する方法が用いられています。
ただし、強酸を使用したあとの岩粉は残念ながら陶芸材料としては適合しなくなります。

 先般、カイラギ釉を作り出したときにも岩石粉の漂白に大変苦労しました。
黒い石粉を白くするのに#80、#100、#120の目の篩(ふるい)でふるっても焼き上がりはダークグリーンとなってしまいます。
それでも当初は満足していましたが、そのうち、もっと白い色にできないものかと思いつづけた結果、遂に、漂白することを発見できたのです。 
淡い卵色に発色するカイラギ。お茶のうつりもよく、満足しているところです。

【018】カイラギ釉について

DSCN3336

(前回に引き続き、カイラギ釉について)
 新しい釉薬を作るには、自分の研究意欲を持ちつづけるだけでなく、努力や手間を惜しまないことだと思っています。また同時に、私を支えて協力してくれる、家族、友人、知人のおかげだと感謝しております。
 
 私は地元のさまざまな土石(珪藻土)を捜し求めて「カイラギ釉」の研究を続けております。それは自然の恵みを受けられる地方だからこそできることなのかもしれません。
 とは言うものの、原料の土石(珪藻土:けいそうど)を探し出した後、険しい山の斜面を登り下りして掘り出し、しかもそれを担いで車のある場所まで運んでくるのも一苦労です。
しかも、採集した土石を粉砕して、さらに何度も篩(ふるい)をかけて釉薬を精製していくまでの間に原料は半減してしまいます。
また、せっかく作ったバケツ一杯の釉薬を丸ごと捨てることも往往にしてあります。このように難儀して作った釉薬がいつもうまくできるとは限りません。日々、失敗とやり直しの繰り返しの毎日なのです。

 けれども
「カイラギを作りたい。2001年までに完成させたい。」
という思いや目標が、私を支えてくれたような気がします。
現在、5,6種類の「カイラギ釉」ができ、ほぼ確実に「カイラギ」を再現できるまでになってきました。
今後も研究を重ね現在の釉を基本にして、あと5,6種類くらい「変わったカイラギ釉」を生み出すことが次の目標であり夢です。
 ここ鹿児島県の古い窯元には、天目・ソバ釉・柿釉・アメ釉・イラホ・黒釉・ドンコ・ダカツ釉・・といった特殊なすばらしい釉薬があります。
けれども私は、まだ誰も手がけていない「カイラギ釉」にこだわり、作り出し続けたいと思っています。

【017】カイラギ抹茶茶碗

1



カイラギとは「梅華皮」とも書き、釉のちぢれのことをこう呼びます。
ホームページでも説明してありますが、収縮しにくい粘土を使い、それで素焼きしたあとに、一番収縮しやすい釉薬を使って1250度で焼き、両者の収縮度の違いを利用してこまかい「ひび割れ」が出たもののことを言います。


 カイラギに使う釉薬は、当地で産出される珪藻土を主原料にして、単味(一種類の意味)または二種類以上を混ぜ合わせて作り、発色させるのですが、これを確実に再現するために、これまでさまざまな研究をしてきました。
 山頂から海辺までいろいろな場所にある珪藻土を掘り出してシラスと混合して実験してみると、面白いことに、産出する場所の違い、また、土をふるいわける時の「篩(ふるい)」のメッシュ(目の粗さ、細かさ)によっても、大きく発色が変化することを発見しました。

 また、窯の中に置く位置(つまり温度差)によって、釉薬の「縮れ」や「はがれ」に大きく影響する事も、数年来の実験から発見したことです。
山の上から採取した土は窯の上部、海辺の土は下部に置いた方が、結果がよいようです。
 このように少しずつながら、細かい積み重ねによって、序序にわかってくることが多くこれからますます実験の繰り返しが面白くなるような気がします。
 新しい時代、私なりの研究・実験、そして創作・作陶を意欲的に続け『大事に持っていたい器』を生み出していくのが目標です。そしてそこに喜びや生きがいを見つけ「生涯現役」の日々を過ごしたいと思います。

【012】質問にお答して

【ご質問】
ひとつお聞きしたいのですが、私は以前から朱色のカイラギはないのだろうか?
炭が焼けていくと表面が白く中が朱色にゆらぐ、あの心が安らぎホットする表情をもつ器にめぐりあいたと、常々思いつづけております。
朱色のカイラギというのはできるのでしょうか?
もし朱色のカイラギがございましたら、紹介いただけないでしょうか。

…………………………………………….

【萩原啓蔵から】

 日本で天下一の名碗と評価されているのが、国宝の喜左ヱ門井戸茶碗と云われています。
昔、朝鮮半島からもたらされた、この茶碗は「高麗茶碗」として、茶人にもてはやされたもので、特に、枇杷色(びわいろ)のくすんだ渋い色感の貫入(カンニュウ・ひびのこと)と、高台まわりの梅華皮(カイラギ)が水玉のように飛び散った凄みのある美しさがあふれています。
 さてご質問の朱色の梅華皮(カイラギ)ですが、天下一といわれている茶碗でさえも、上記のように渋い色しか出せないのが現状です。
これは、原料が土石であるために、明るい色が出し難いのです。例えば真っ赤な土であっても、茶色にしか出ません。発色としては、このように白、黒、茶、灰色、灰黄色程度までです。
 
 逆に白い色の梅華皮(カイラギ)が出る土石に、上から朱色釉をかけてしまうと今度は梅華皮(カイラギ)そのものが出なくなります。
と言うことで、朱色の梅華皮(カイラギ)というのは不可能と思います。
 しかしながら私としても、地元の土石を使っての研究を今後も続けてさまざまな表情を持つ梅華皮(カイラギ)を産みだしていきたいと思っております。

【004】釉薬の追求と失敗

新しい釉薬を研究する中には当然失敗もある。今回がそうだった・・。
前回採取してきた同じ岩を粉砕して釉薬を作ったものの、窯出しをしてみると、内側が「釉はがれ」(釉薬がめくれあがってはげてしまうこと)になってしまっている。

同じ場所で採取しても岩石成分が微妙に違うことや、岩石の洗浄が十分でなく塩分が残ったままであったこと、そしてまたここ1週間ほど寒い日 が続いために、「厚がけ」をした釉薬が完全に乾いていなかったこと・・ 
などが原因のひとつとして考えられる。



私の求めている「カイラギ」とは、美しい「ちぢれ」のことである。
それは「収縮しにくい粘土」を使い形を作り、素焼きしたあとに今度は「収縮しやすい釉薬」を使って1250度で焼く。
「カイラギ」は両者の収縮度の違いによって生まれる。ただし、この自然の美しさを確実に実現するのは、かなり難しい。・・・だからこそ 貴重なものといえるのかも しれないが。



失敗作は、私にとっては失敗作である。
生徒たちは「これも味があっていい。」と言うが、カイラギの追求と言う意味では、私自身が納得ができるまで、試行錯誤の繰り返しのような気がする。また自分自身の内面を振り返れば
「2000年度の新作をはやく発表したい。確実なものにしたい。」
というあせりもあったのではないかとも思う。
 
 『神は愛する者のみ試練を与える。人を相手にせず、天を相手にする。』
 この言葉をかみしめながらまた挑戦したいと思っている私である。







Copyright © 2019 keizogallery (陶芸家 萩原啓蔵)


トップへ戻る