ぐい呑み「嵐」
お世話になります。
さきほど、出張からもどり到着しておりまして、啓蔵先生の作品を開封いたしました。
ぐい呑が好きで、いろいろ集めているのですが今回、初めて啓蔵先生の作品を手にしました。
そのなかでも、「嵐」の作風には驚愕しました。
虫食いや白釉の流れの美しさ、そして、土色と青色という
大地と海・空を表すような劇的な色のコントラスト。
まさに、荒れ狂う地球の自然表現を「嵐」として作品に閉じ込めたような
啓蔵先生の「魔術性」を感じてしまいます。
焼き物という脈々と受け継がれてきた伝統にある技術、
一方で、修正のきかない一瞬・偶然の芸術。
デジタルの時代にあって、
これほどまでに、アナログであることが重要なことを知るには
こうした焼き物の作品を見るときだと思います。
そして、啓蔵先生には、
その「技術と芸術」を常に真摯に高めようとする人間性を感じます。
今回の「嵐」には、
「技術・芸術」、それを操ろうとする「人間性」、そして、その作品には
人間性と対象美をなす「自然」を感じました。
以上を、私の感想と致します。
ありがとうございました。
(埼玉県 N様)
(店長)
N様、ご感想をお送りくださいまして本当にありがとうございました。
「嵐」は啓蔵の新境地を感じるような作品です。いくつもの釉薬のかけあわせ。発色。景色。
N様の書かれた
『「技術・芸術」、それを操ろうとする「人間性」、そして、その作品には
人間性と対象美をなす「自然」を感じました。』
というご感想は、啓蔵もきっと励みになるのではないでしょうか。本当にうれしいご感想です。ありがとうございました。
N様は、いろいろな作品をコレクションされていらっしゃるとのことで、大変目が肥えていらっしゃるのではないかと思います。
それだけに大変光栄です。そして啓蔵作品を選んでくださって本当にありがとうございました。
啓蔵は釉薬の研究には本当に熱心です。啓蔵が日々それに取組みながら「作品という形で表現する」プロセスを想像しながらあらためて作品を眺めてみると、本当に趣深い、驚くような「景色」が広がってきます。
N様とそれを共有できて店長としてもうれしいです。本当にありがとうございました。
2010.11.14 日曜日
■土色
きめの細かいカイラギが美しく本当に“素晴らしい”です。
数年前に、たまたま啓蔵さんのHPを見つけ、啓蔵さんの作品に引き込まれるきっかけとなった作品でもあり、私の中ではカイラギというと『土色』や『紋跡』の風景が真っ先に思い浮びます。
作品の紹介にも書かれてありましたが、側面は曲線模様のカイラギで、内側は直線的な表情、口元は大きめで縦に流れたカイラギの風景がとても綺麗で、土の色の釉薬と一体感があり不思議とずっと見ていても飽きずカイラギが堪能できます。
啓蔵さんのHPに『世の中に無いものを作りたい』との言葉がありました。
ネットや、陶器店、美術館などでもカイガラギの作品を意識して観ますが、未だ同じような作風に出会った事がなく独創的で素晴らしい事だと思います。この様な作品を手にすることが出来本当にうれしい限りです。
大切にさせていただきます。
■おまけ作品
側面は沢山の小さい虫食い、内側は釉薬が裂けたような大胆な線状のひび割れ模様。
これは、まさに私好みでツボにはまりました。しかしなぜこの様に釉薬が裂けるのか不思議でたまりません。
この様な作品を手にする度に、窯の中で一体どの様な変化がお気、このような作品が出来上がっていくのだろう?と、出来る過程の釜の中をのぞき見て見たい気持ちになります。
雪を連想させる白地の作品ですが、よく見ると所々に全体で10個程のブルーインクが跳ねたような青い点模様があり、これも不思議です。とても気にいっています。大切にいたします。
これからも、すばらしい新作を楽しみにしています。
(追記)
以前にサービスでいただいた、鹿児島のシラスを使った茶碗が焼きあがりました。
シラスの効果かどうかは定かではないのですが(まったくもってわかりませんが)、所々に”ぽっこり”虫食いが出ました!
基礎が同じ釉薬で、シラスを混ぜていない方には虫食いは1つも出ていないので、やはりシラスが何らかの影響をしているのだと、勝手な解釈をして喜んでいる次第です。!!
写真を添付します。
(東京都 Y様)
(店長)
Y様、ご感想をありがとうございました。
土色は、カイラギ作品のいちばん根幹となるような作品です。
啓蔵作品を販売した初期から取り扱っていた作品ですが、このぐい呑み土色は、今回のY様のご購入でお取り扱い終了となりました。
ですので別な意味でも感慨深く感じています。
土色のおもしろいところは、Y様も書かれているように内側と外側(側面)とで表情が違うところです。
そんなおもしろいカイラギが、偶然なのか必然なのか、ともかく出ているところに驚いてしまいます。
ぜひ、末永くご愛用を頂ければ幸いです。
Y様はご自身も陶芸をされるのですよね。
画像をありがとうございました。私は専門的なことはわかりませんが、もしかすると、Y様の推理は当たっているかもしれません。
ともかく、ぽっこりと出た虫食いに乾杯!ですね。
本当にあたたかな気持ちにさせて頂きましてありがとうございました。
今後共どうぞよろしくお願いいたします。
*ぐい呑み 「土色」お取り扱い終了となりました。
2010.05.26 水曜日
萩原啓蔵陶芸作品 : 抹茶茶碗(筒) 茶
艶のあるこまかいカイラギが美しい、筒茶碗です。
内側や、側面の下方に、釉薬のたまりがあって、それもまた個性的です。
カイラギが細かくて、唇を触れたときに優しい触りだと思います。工芸は触れるときの醸す世界も愉しみですね。唇に、がさがさ当たる感じがなくて、やさしい感じです。(H様)
抹茶茶碗(筒) 茶 (販売中)
2010.04.23 金曜日
【ぐい呑み】水青流
発売当初から気になっていましたが、あまりにも個性的に見えた為、少し躊躇しておりました。
その後、いろいろな方のご感想を拝見する度に、気が引かれ購入を決意しました。
手にして最初に思った事は『一体、何種類の釉薬を重ね掛けしているのだろう?』でした。
私の見る限り、下地の茶釉、クリーム釉、ホワイト釉、チョコレート釉、ブルー釉と、少なくとも5色の釉薬が掛けられている様に見えます。
(実際には釉薬の種類によるものか、融合による変化なのかは判りませんが…)
クリーム釉、ホワイト釉は、もっと光沢があるかと思っていましたが、実物を見るとマット調に近く、思っていたよりも落ち着いた感じを受けました。
また、クリーム釉の中から所々湧き出た様なホワイト釉の風景は、いささか不思議です。(一体どの様に釉薬を掛けたのだろうか?融合なのだろうか?いろいろ想像してしまいます。)
釉薬の混ざり合った部分の微妙な色合いや、たっぷり掛かったブルーも綺麗です。
つい釉薬の発色に目が行ってしまいますが、これだけの釉薬を重ね掛けしながらも、虫食いが全体に出ているのは啓蔵さんの作品ならではと思います。とても興味深く面白い作品ですね!
大切にさせていただきます。
(東京都 Y様)
(店長)
Y様、ありがとうございました。
水青流は不思議な魅力のあるぐい呑みだと私も思います。
第一印象は非常に悪い!?のですが、でも何回か見ていると、気になってしまい、そのうち魅力に引き込まれてしまいます。
Y様も書かれていらっしゃいますが、あの釉薬の重ね掛け、そして虫喰い、カイラギと、いろんなエッセンスがいろんな形で出現して、ぐい呑み全体を包んでいるように思います。
クリーム色の釉薬の中に、突如としてでる真っ白な発色。(私もどのようにしたのかわかりません。)
本当におもしろい個性的な、ぐい呑み(陶芸作品)だと思います。
ぜひ末永くご愛用頂けると幸いです。
*販売終了いたしました。
2010.04.03 土曜日
土色のぐい呑みを集めてみました。
こうしていっしょに撮影し、比べてみると、土色のカイラギといっても、たくさんの表情があるものだと改めて思います。
撮影は大変なのですが、それぞれに趣があり、どれもすばらしいなあと、ファインダーをのぞきながらわくわくしてしまいます。
少しでもその思いが伝わりますように。
巌飛翔
重厚な釉薬が、ものすごいエネルギーで勢いよく飛び散り、そしておもいおもいに主張しているようなぐい呑みです。
焼き締めのぐい呑みで、かつ、躍動感を感じる。
小ぶりなぐい呑みですが存在感があり、とても渋い作品です。
土縞跡
外側のカイラギ、内側は縞の跡があります。カイラギの淵の黒さに力強さを感じます。
まるでなにかのうろこのようにも見えますし、流れの跡のようにも見えます。お酒を映してみるとまた違う景色になるのでしょう。
とても個性的なぐい呑みです。
巌
他の啓蔵カイラギぐい呑みに比べると、小さめです。 「焼きしめ」られていますが、小ぶりながら、重厚で趣きのあるぐい呑みに感じます。
ひびの紋様も、自由で力強いイメージです。
また手作りらしく多少いびつで、正円でないところが、味わいがあります。
土水跡
茶色の地に、カイラギ。
単なる茶色ではなくて、見る方向によっては黒っぽく見えたり、明るく見えたりします。
豊土華2
カイラギと、それから、ときどき側面に釉薬がたまっているところがある作品です。
豪快でエネルギーがあふれるような、ぐい呑みです。
『大胆で荒々しいカイラギにとても惹かれました。
このはっきりしたカイラギ模様を見ていると、流れや動きあり、窯の中で絶え間ない炎が、火柱となり渦を巻き、ようやく耐え出来た様な強さを感じます。
また、大自然の大地を感じるような土色釉薬も、とても気に入っています。
』(ご感想より)
2010.04.01 木曜日
啓蔵カイラギぐい呑み 土水跡
撮影しなおしました。
いびつな形ながら、たくさんのひびの跡がきれい、という不思議な趣のあるぐい呑みです。
渋い作品です。
2010.03.29 月曜日
皆様からのご要望におこたえして、近々抹茶茶碗の販売をはじめる予定です。
まだ、どの抹茶茶碗を販売用にするか、等は未定ですが、
萩原啓蔵の個性的な陶芸作品を、ぜひお楽しみにお待ちください。
【参考】
萩原啓蔵 抹茶茶碗ギャラリー
(*画像には、非売品も含まれております。)
2010.03.27 土曜日
土蒼景色
釉薬の変化は、場所によっては勢いがあり、
また場所によっては溜めがあり、
ひとつひとつなにかを表現しているようであり、
じっとエネルギーを蓄えているようでもあります。
ずっと眺めていたい、作品です。
蒼色の地に土色の釉薬、乳濁の釉薬がかかり、まるで古典絵巻を見ているような景色です。
2010.03.25 木曜日
『
カイラギとは「梅華皮」とも書き、釉のちぢれのことをこう呼びます。
ホームページでも説明してありますが、収縮しにくい粘土を使い、それで素焼きしたあとに、一番収縮しやすい釉薬を使って1250度で焼き、両者の収縮度の違いを利用してこまかい「ひび割れ」が出たもののことを言います。
』
【017】カイラギ抹茶茶碗 (陶芸家雑感:萩原啓蔵エッセイより)
2009.05.05 火曜日