【002】啓蔵語録(その1)
・よく陶芸を「何年やっています」と年数を云う人がいる。
毎日休みなく作らない限り年数は云うな。
・一流歌手は百曲、二流歌手は五十曲を、三流になると十曲を一年中歌っ
ている。レパートリーのない陶芸家も然りである。
・給料が上がったら小使い銭をあげる、と云っても「今」あげられなけれ
ば(給料が上がっても)あげられない。
陶芸も然り。下手でも「今」作ってあげなさい。
・「常に青春であれ」と聞かされた。
自分の仕事に資金を惜しんではならない。
身の回りを削っても投資しないと、良い作品は作れない。
・昔から「一.焼き、 ニ.土、三.細工」と言われている。
しかし、焼成が良く、細工が良くても、土が良くないと良い作品はでき
ない。
女性のお化粧でもモチ肌でないと、化粧が映えないのと同じ。
・土は生き物。
雨の日、寒い日は云うことを聞いてくれない。
晴れの日、暑い日は乾きすぎてすねる。
それでも作者は黙々と作る。
(次号につづく)