先日のテレビで『世紀を越える大修復・京都西本願寺御影堂』10年がかりの屋根瓦修復が始まる・・という映像が映っていました。

 百年も二百年も風雨にさらされたにもかかわらず、腐らない、割れない 焼き物はどう焼かれたのだろう?と関心がありました。
 一般の住宅用粘土瓦は10時間かけて、1000度になるまで焼くのが普通です。
粘土の厚味は2cmを越すと1000度でも中心部が焼けないために割れ易い のですが、西本願寺の瓦となると大きさも大きい上に、厚味が3cm以上もあります。
ところが、古い瓦を実際に試験をしてみると400kgまでの加圧に耐えていました。


 丈夫に焼き上げるには、かなりの研究が必要だったでしょう。
昔々その 瓦を焼いた人たちは、技術的に本当に優れた職人達だったに違いありません。
セメントで作ったものでも多分難しいと思われるのに、長い年月の間、自然の風雪に耐え、重さにも耐える「もの」をつくったその技術に深い感動を覚えたのでした。人間の「叡智」で、後世に残る焼き物をつくりあげた・・ということなのかもしれません。


 これから作る大修復の瓦も千年ニ千年経ても壊れないようにするためにはどんな焼き瓦にするか・・・。  
それには1160度で25時間、窯で焼き上げるということです。そうする事で圧力600kgにも耐える瓦になる様研究されているそうです。

 先人に負けない技術を重ねて、次の世代へ繋げていく・・・「陶芸」においても同じことが言えるような気がします。

                     



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