蒼雫


 「蒼雫」は、私が啓蔵先生の作品に出会った時には売り切れていた酒器セットのぐい呑み単体作品だけあって、非常に完成度の高い作品だと思います。

 ぐい呑みの側面に帯のように展開する虫食い、蒼というか碧というか非常に繊細な色のうえに漂うように広がる乳濁色の釉薬、形は基本的な低重心のぐい呑み様なのに作り手の優しさを感じさせる微妙な歪み。画像で見た感じでは造りが薄いのかと思ったのですが手に持った時に暖かさを感じる生地の厚さなどなど全体的に深い安らぎを感じさせるぐい呑みだと思いました。
 店長殿も書かれているように日本酒か焼酎良く合う感じがしました。

 一方、啓蔵先生が作品の考察に使ったという手書きの記述がある一品(他の方が書かれている記事を見て何時かは欲しいと思っていたので感動です!)については、販売されている作品だと「艶岩壁」の習作だと推察するのですが如何でしょうか。
 形が違うのは画像を見ても分かるのですが、釉薬の色が販売の作品と違うように見えるのですが・・・。
 店長殿は、この作品を握ってみたことはありますか?私の手に吸い付くような感触で、非常に握り心地が良かったです。
 こちらは啓蔵先生の文字が薄れてしまったら困るのと、貫入に万が一、色が付いて景色が変わってしまったらと思うと怖くって使用できません。

 いつも啓蔵ギャラリーWebショップの丁寧さ、迅速さには感服していましたが、今回の取り合わせには鳥肌が立ちました。
 端正な佇まいで完成度の高い「蒼雫」と、試作品とあって荒々しい中に艶のある「大蛇(オロチ)」(すいません、作品を一目見たイメージで勝手に命名してしまいましたm(__)m)とを一緒にお譲りいただけるとは。本当に感謝しております。

(大分県 N様)



(店長)
N様本当にありがとうございました。
「蒼雫」はエメラルドグリーンがまざったような蒼、そしてぬくもりのある、すばらしい作品だと思います。
乳濁の色が、ふんわりと変化していく景色は、見ていて飽きないというか、ご堪能頂けるのではないかと存じます。それだけに本当に気に入って大事にしてくださる方のお手元にお届けできたことが本当にうれしいです。

おまけでおつけしましたぐい呑みは、仰るように「艶岩壁」の「もと」になった試作品です。
が「艶岩壁」そのものではございません。艶岩壁の作品が完成するまでのまるで過程がのぞけるようなものです。
しかも、啓蔵が、釉薬を確認するために底に文字を書いているという、啓蔵ファンにとってはレアもの(笑)ではないでしょうか。

販売している「艶岩壁」はとてもずっしりとくる作品です。(重さが重いということではなくて) 
側面の艶、そして白濁の釉薬が、仰るようにまるで龍か大蛇の動き、流れのように見える気がいたします。
この作品の釉薬、勢いの表現を出すために、どれだけたくさんの試作を繰り返したのか…ということが、よくわかります。

N様が、啓蔵作品を気に入ってくださりいつも熱く語ってくださる思いに、感謝いたしております。
少しでもその思いにお応えできればと思いました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



艶岩壁

落ち着きがありながら秘めたる情熱というかエネルギーを感じる作品。

カイラギの釉薬のかかりが、まるで龍の絵にも見えます。
趣のあるひびは、艶のある光沢の肌です。そしてその上から白濁の釉薬が、流れるようにまるで思い思いに流れる川のような跡になっています。

こちらで販売しています。 | 艶岩壁の記事をまとめて読む





*「蒼雫」 販売終了いたしました。

                     



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